ATTACKS & JAPAN

世界の攻撃と、
日本。

インターネットにつながった機器には、海外から毎日のように「すき間はないか」と探るアクセスが届いています。警察庁と NICT の公式の数字、会社が公表した最近の被害、そして個人の PC で今日からできることをまとめました。

イメージ図
公式統計をもとにしたイメージです。国ごとの実際の割合やリアルタイムの攻撃ではありません。線の出発点は地球の上に均等に置いています。

地球と月の画像: NASA(Blue Marble Next Generation・Black Marble 2016・CGI Moon Kit)/星: Yale Bright Star Catalogue 第 5 版。昼と夜、月と星の位置は、いまの時刻に合わせています(月は見やすいように近くに置いています)。

OFFICIAL DATA

日本はどれぐらい
狙われているか。

警察庁・令和 7 年(1 年間)

99.4%

不審なアクセスのうち、海外から来た割合

1 日・1 IP アドレスあたり 9,605.7 件(前年比 0.9% 増)。そのうち 9,551 件が海外を送信元としていました(グラフの値)。

出典: 警察庁「令和7年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」(令和 8 年 3 月・PDF)図表 13

警察庁・令和 8 年上半期

123件

ランサムウェアの被害の報告

データを暗号化して身代金を求める攻撃です。半年の件数として、統計を取り始めた令和 2 年下半期以降で最多でした。令和 7 年の 1 年間は 226 件でした。

出典: 警察庁(同上・令和 8 年上半期 PDF、令和 7 年 PDF)

NICT・2025 年(1 年間)

約7,010億パケット

観測網に届いた攻撃に関係する通信

NICT の観測網(約 28 万の IP アドレス)に届いた数で、2024 年より約 2.2% 増えました。1 つのアドレスに 1 年で約 250 万パケットが届いた計算です。そのうち約 55% は調査目的と見られるスキャンでした。

出典: NICT「NICTER観測レポート2025の公開」(2026 年 2 月 5 日)

NICT・2025 年(1 年間)

約90万件

日本あての DRDoS 攻撃

大量の通信を送りつけてサービスを止める攻撃の一種です。2024 年の約 17 万件から増えました。世界全体では約 8,285 万件でした。

出典: NICT(同上)

警察庁・令和 7 年(1 年間)

15,108件

サイバー犯罪の検挙

警察が検挙したサイバー犯罪の件数です。

出典: 警察庁(令和 7 年 PDF)

数字を読むときの注意。これらは「観測用のセンサーやアドレスに届いた数」で、日本全体が受けた攻撃の総数ではありません。NICT も次のように書いています。

なお、総観測パケット数は、あくまでNICTERで観測しているダークネットの範囲に届いたパケットの個数を示すものであり、日本全体や政府機関に対する攻撃件数ではありません。(NICT「NICTER観測レポート2025の公開」より)

RECENT CASES

最近の
主な被害。

  1. ランサムウェア(委託先)

    ライドオンエクスプレスホールディングス(銀のさら・釜寅・すし上等)

    • データを預けていたサーバーの運営会社から、ランサムウェア攻撃を受けたと報告を受けた。
    • 漏えいの可能性があるのは最大 約650万件(確定した件数ではないと説明)。クレジットカード情報は同社では持っていない。
    • 公式サイト・公式アプリからの注文を止めている(発表時点で再開の見通しは立っていない)。

    出典: 同社のお知らせ(第3報)

  2. ランサムウェア

    IDCフロンティア(IDCFクラウド)

    • 10 月 7 日午前 3 時 40 分ごろからクラウドの障害が続き、原因は第三者からのランサムウェア攻撃と発表。
    • 影響は IDCFクラウドを契約している 495 の企業や自治体。
    • 第 5 報(10 月 14 日)では、外部へのデータの流出はなかったと判断。一方で 48 社の登録情報に不正な照会があった。

    出典: 第2報・第5報(同社)

  3. 不正アクセス(委託先)

    大和証券

    • 業務を委託していた会社のサーバーに、10 月 2 日夜から 3 日朝まで不正アクセスがあった。
    • 約 11 万名のお客様の氏名・メールアドレス・口座番号などが漏れた可能性(問い合わせの情報なども合わせると約 22 万件)。
    • 同社のシステムへの不正アクセスは確認されていない。漏れた可能性のある情報では、証券口座へのアクセスや取引はできないと説明。

    出典: 同社の適時開示(PDF)

  4. 不正アクセス

    タイムズカー(タイムズモビリティ)

    • 9 月 25 日に不正アクセスを検知。Web システムにあった弱いところ(脆弱性)が悪用された。
    • 第 5 報で、外部に送られた痕跡があるアカウント情報(氏名・住所・運転免許の情報など)は 6,628,007 件。本人確認書類の画像(暗号化済み)は 1,464,800 件。
    • クレジットカード情報は漏えいしていないと発表。

    出典: 第2報・第5報(同社)

  5. ランサムウェア

    京王電鉄グループ

    • 9 月 26 日未明に、グループのサーバーへのランサムウェア攻撃を確認。一部のグループ会社の営業システムに支障が出た。
    • 鉄道の運行には支障はないと発表。
    • 第 3 報(10 月 21 日)で、個人情報が漏れた可能性もあるとして個人情報保護委員会へ報告。

    出典: 第1報・第3報(PDF)(同社)

  6. ランサムウェア

    アスクル

    • 2025 年 10 月のランサムウェア攻撃。侵入には、例外的に多要素認証をかけていなかった委託先向けの管理者アカウントの ID とパスワードが使われた(第 13 報)。
    • 流出を確認した情報は、事業所向けのお客様 約 59 万件、個人のお客様 約 13 万 2,000 件、取引先 約 1 万 5,000 件、役員・社員など 約 2,700 件(第 13 報)。
    • 2026 年 7 月 30 日、漏えいのおそれを否定できない個人情報 約 60 万件を追加で特定(外部への漏えい・不正利用は確認されていない)。

    出典: 同社のお知らせ(2026年7月30日)・第13報(PDF)

  7. ランサムウェア

    アサヒグループホールディングス

    • 障害の約 10 日前に、外部の攻撃者がグループ内の拠点のネットワーク機器を通って侵入。2025 年 9 月 29 日にランサムウエアが一斉に実行された。
    • 漏えいを確認した情報は、従業員(退職者を含む)5,117 件、取引先の役員・従業員など 110,396 件。
    • 受注は 2025 年 12 月に再開し、物流は 2026 年 2 月までに通常に戻った。

    出典: 同社の発表(2026年2月18日)

  8. 大量データ送付

    日本航空(JAL)

    • 午前 7 時 24 分から、社内外をつなぐネットワーク機器で障害。原因は「大量データ送付」によるものと発表。
    • 顧客データの流出やウイルスの被害は生じていない。当日に出発する国内線・国際線の販売は同日中に再開した。

    出典: 同社「ネットワーク障害による運航への影響について(第4報)」(公式ページの保存版・Internet Archive。元のページは公開を終了)

  9. 大量データ送付

    三菱UFJ銀行

    • 15 時ごろから、一部のお客様で三菱UFJダイレクト(インターネットバンキング)の生体認証が不安定に。
    • 原因は「外部からの不正な大量データ送付」と発表。顧客データの流出やウイルスの被害は生じていない。

    出典: 同行「ネットワーク不具合による各種サービスの影響について」(公式ページの保存版・Internet Archive。元のページは公開を終了)

  10. ランサムウェア

    KADOKAWA

    • 2024 年 6 月 8 日に、グループの複数のサーバーにアクセスできない障害が発生。
    • 外部に漏れたことを確認した個人情報は、合計 254,241 人分。
    • フィッシングなどで従業員のアカウント情報が盗まれたことが根本の原因と推測、と発表。

    出典: 同社「ランサムウェア攻撃による情報漏洩に関するお知らせ」(PDF)

各社の公表内容の要約です。最新の状況は各社の発表をご確認ください。並びは公表日の新しい順です(2026 年 10 月 24 日に確認)。攻撃した相手の名前は、各社が公表していないため書いていません。

WHAT YOU CAN DO

個人の PC で
できること。

Windows とソフトを新しくしておく

届いている不審なアクセスの多くは、古いままの弱いところを探すものです。Windows Update は自動のままにして、ブラウザや使っているソフトも更新しておきましょう。

パスワードを使い回さず、二段階の確認をオンに

上の事例にも、盗まれた ID とパスワードから入られたと公表されたものがあります。大事なアカウントは別々のパスワードにして、二段階認証(多要素認証)をオンにしましょう。漏えいチェックで、メールやパスワードが漏れていないかも確かめられます。

「漏えいのお知らせ」を名乗るメールに注意

大きな被害のあとは、お詫びや確認を装ったメールや SMS が届くことがあります。届いたリンクからパスワードやカード番号を入れず、会社の公式サイトを自分で開いて確かめましょう。

大事なファイルは、別の場所にも保存

ランサムウェアはファイルを使えなくします。写真や書類は、外付けのドライブやクラウドなど、PC とは別の場所にも保存しておくと安心です。

NEXORIA

PC の見守りを、NEXORIA に任せる。

NEXORIA は、個人の Windows PC のための守りのアプリです。PC の中のおかしな動き・怪しいメール・AI の危ない操作を見つけて知らせ、必要なときにブレーキをかけます。申し込みから 10 日間は無料です。